Ecoship

 

船舶が排出する温室効果ガスのCO2は10.5億トン/年と言われ、世界のCO2総排出量の3.3%を占めており、例えばドイツ1カ国分の排出量を上回っているのをご存じでしたでしょうか。今後、新興国の経済発展が進めば、国際的な海運業から排出されるCO2の量は2050年までに現在の2.5倍に増加してしまうとの試算もあります。

 

実際、船舶から排出される有害汚染物質は、温室効果ガスのCO2等だけではなく、窒素酸化物や硫黄酸化物などについて、港湾地域の濃度上昇の要因になっていることは以前から判っており、船舶の航行エリアだけでなく停泊中の港湾地域、停泊船舶に電源を供給する施設なども対象として対策が講じられてきています。

 

船舶自体の地球温暖化対策には、大きくハイテク化が貢献しており、燃費の向上、CO2排出量の削減など様々な側面から改善が図られています。日本の造船技術を核に、そのような科学技術の粋を集めた船舶は「エコシップ」と呼ばれています。

 

例えば船の甲板に敷きつめた太陽光パネルを利用した太陽光エネルギー船は、主に停泊中のエネルギーを太陽光エネルギーから得ます。2012年就航の自動車運搬船「エメラルド・エース」は甲板に768枚の太陽光パネルを備え、航海中に蓄電した電力を停泊中に使用します。

 

航行時の波や風の抵抗を抑え、燃費の向上をはかるのもエコシップの特長です。モジュール運搬船の「ヤマト」は船首部から船底にそって空気の泡を送り込み、船体と海水の摩擦を減らして航行の摩擦を減らすユニークな船です。CO2の排出量に換算して約6%も航行燃料を削減できるそうです。

 

船体の塗装方法も科学技術の進歩が大きく貢献しており、ナノテクノロジーを活用して水をはじくハスの葉の構造を模した塗装もあるそうです。また、船体の軽量化のために、航空機に使われている炭素繊維を使う方法も開発されてきています。300メートルを超える船体に8本の大きな帆を立てて風から推進力を得る最新のエコシップも2030年を目途に就航の予定だそうです。

 

近い将来、ゼロエミッションシップの登場も夢ではないようですね。