polar-vortex
 

地球を取り巻いている大気は大きく循環しており、これを大きく分類すると「ハドレー循環」「フェレル循環」と「極循環」の3つがあります。


このうち、「極循環(きょくじゅんかん)」のことを英語では「
Polar Vortex(ポーラー・ボルテックス)」と呼び、この冬、ニューヨークなどのアメリカ東海岸地方に大寒波をもたらした原因として話題になっています。

極循環は、緯度60度付近で上昇した空気が対流圏の上層を北極、南極付近まで移動して、地表付近に下降します。北極、南極付近は太陽からの熱供給が少ないので空気が冷えて下降するのです。そして冷やされた空気が緯度60度付近まで戻ってくることを極循環と呼んでいます。


今年の冬はこの極循環が大きく波行し、アメリカ東海岸地方に大きく張り出したのです。気温は氷点下まで下がり、たくさんの降雪も観測されました。多くの都市で路面が凍結し、立ち往生する車両などが続出しました。風も強かったため、体感温度で表現するアメリカの報道では『マイナス50℃に至っており、生物が生存できる状態ではない』とまで伝えられました。


この極循環の張り出しですが、自然の変動によるものではない可能性が報じられています。夏の間に北極海が温められて、氷が解けるなどして、海が温まってしまい、その熱が大気圏に放射されて、極循環を乱したというのです。つまり地球温暖化が、極循環を乱してしまった結果として大寒波の原因となったと思われます。


いつもより寒い冬が来たということで、地球温暖化は進んでいないのではないかと感じる方も多いのですが、実は冬の寒波は夏の温暖化に原因があるとも考えられるのです。