全世界の三分の一のトウモロコシを生産する、アメリカ合衆国中西部に東西にベルト状に拡がる農業地帯を「コーンベルト」と呼びます。オハイオ川渓谷からネブラスカ州、ミネソタ州北部にかけての中西部が、全米のトウモロコシ生産量の80%近くを担っています。

 

しかし近年、地球温暖化と生育の速い品種の開発によって、そのコーンベルトが北へ移動しているのです。

 

隣接するカナダの草原地帯では、穀物の生育期は過去50年間に約2週間長くなったといいます。さらにカナダの研究者らによれば、年平均気温は2050年までに最大3度上昇すると推測されています。

 

つまりコーンベルトの北上とさらなる地球温暖化は、カナダにとって小麦産地がトウモロコシ産地になってしまうことを意味しているのです。カナダ側のマニトバ州とサスカチワン州、アルバータ州の3つの州では、トウモロコシの作付面積は昨年、過去最高の405000エーカー(約1639.035平方キロメートル)に達したそうです。これは2年前の2倍。20年前と比較すると、なんと約8倍になっています。この状況を背景にカナダ全体の農地価格も2007年~2012年で36%も上昇して、1エーカー当たり1926カナダドル(約179290円)となっています。

 

農業の中核地域がこれほど大きくスライドすることは、農地価格だけでなく人々の生活や経済に大きく影響します。過去に農業機械の技術革新による自動化が進んだ時や効率向上を狙って大規模経営が進んだ時よりも急激な変化が起これば、どのようなことが起こるかについては十分に予期して柔軟な対応を取ることが求められるでしょう。

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