今日は環境調査の現場に向かうグリーンブルーのスタッフから、駅の入口に巣を作っているツバメの報告です。人間の生活領域に極めて近いところで姿を見かけるツバメですが、注意して見ていると、この時期は思いのほか身近な所に巣を作っていたりします。

 

今回、ふとしたところでグリーンブルーのスタッフが見つけたのは、東武東上線の下赤塚駅北口の天井です。到着する電車の案内が刻々と表示される表示板と天井の間に、ちょこんと巣が作られていて、中にはもうかなり大きくなったヒナが二羽、餌が届けられるのを待っていました。親鳥はせっせと餌集めに奔走しているので、なかなかすぐには帰ってこないのですが、餌が届けられた時には大騒ぎになっていました。それでも、ツバメは1日に数百回も、ハエやハチなどの空を飛ぶ虫をヒナに給餌するというので驚きです。電車に乗降する乗客たちは、頭の上スレスレをかすめて飛ぶ親ツバメに「オッ」となった後、天井を見上げてニッコリしていました。


swallow

 

ツバメは巣作りから、雛の巣立ちまで、雄と雌が共同作業します。生まれた卵は主に雌が抱き、雄は巣の近くで外敵を警戒して見張りをします。雌がくちばしで卵の向きを変えながら辛抱強く卵を温めると、概ね2週間ほどでヒナが誕生します。

 

ツバメが人目につきやすい場所に営巣するのは、卵やヒナを他の鳥やネコ、ヘビなどの攻撃などから守るためです。いわば人間をガードマン代わりにして、他の的が近づかないようにしているわけですね。実際、昨今の東京都内でツバメの巣を荒らすのは、カラスくらいかなと思うのですが、ハトなども激しく攻撃する時があります。ツバメの巣は、泥と枯れ草に唾液を混ぜて作られており、垂直な壁にお椀形に作られるケースが多いので、ハトなどに足をかけられたらひとたまりもありません。ヒナや卵ごと落っこちてしまいます。

 

もしも、ネコやヘビ、カラスなどに襲われそうになっているツバメを見かけたらどうしますか。自然の成り行きに任せると考える方もいらっしゃるようですが、そもそも人間の傍に巣を作ってガードをあてにしているのだから、助けてもいいとお考えになる方もいらっしゃるようです。ツバメを助けることで襲っている側が飢えるような状況でなければ、ぜひ助けてあげたいですね。

 

NPO法人のバードリサーチでは「ツバメ観察ネットワーク」というサイトを運営されています。ぜひ、一度のぞいてみて下さい。面白いですよ。

 

http://www.tsubame-map.jp/index.html