温室効果ガスの排出に関しては「カーボンオフセット(炭素相殺)」から「カーボンニュートラル(炭素中立)」へと、より環境負荷を小さくするためのコンセプトが打ち出されてきていますが、水資源の利用についても「ウォーターニュートラル」という考え方が定着しつつあるのをご存知でしょうか。
 

飲料の製造などの企業活動では地下水や河川水を組み上げて使用しますが、ウォーターニュートラルとは、この水資源の利用が与える環境側面のインパクトを最小限に減らして、水資源の枯渇を回避しようというものです。


以前は、組み上げる水の量を「リデュース:削減する(Reduce)」というコンセプトで取組みが進められていましたが、昨今では「レプレニッシュ:補充する(replenish)」という考え方に進化してきています。水資源の利用でレプレニッシュを実現していくには、使用量を削減するだけではなく、使用後の排水を浄化して河川に戻したり、さらにはもっと長い時間軸で地域の水資源を育む取組みを推進したりします。


例えば、早くからこの取り組みを開始しているのは、サントリーグループが2003年頃から工場周辺の水源となる樹林を整備する取り組みを行っています。また、日本コカ・コーラも2020年までに国内28か所の工場でウォーターニュートラルを実現するために日本製紙と協力して森林の育成と管理に取り組んでいます。


ご想像いただけるようにウォーターニュートラルを実現するには、確かな水資源調査結果に基づいて森林保全などの長期間の取り組みを継続することが必要となります。さらに、良質な淡水を供給してくれる地下帯水層や河川は、特定の企業だけのものではないので、地球温暖化に伴う降水量の変化や河川域の人口の増減などの外的な要因の影響を受けます。それでもこのウォーターニュートラルに取り組む企業は、良質な水資源を彼らの重要な経営資源とみなしているということですね。

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