今日(108日)、月全体が地球の影にすっぽりと入って「赤い満月」のように見える「皆既月食」が日本国内の広い地域で観測できる見込みです。欠け始めてから、終わるまでの全ての過程を国内全域で日暮れの後に見られるのは、なかなかない機会ですが、天気予報で雲が出ると予想されている地方でも、雲の切れ間から特別な月が見える可能性が高そうです。

 

地球の影に月が入ってきて、月が欠けて見える現象を「月食」と言いますが、今晩見られる月食は、月が完全に地球の影の中に入ってしまう「皆既月食」です。地球の影の中を動いていく月は、形や色をどんどん変化させていきますが、その変化は肉眼でも十分楽しめるはずです。

 

今日は午後614分頃から、月が地球の影に入り始め、部分食が始まる見込みです。それから大体1時間くらい経過すると、午後724分頃から、月の全体が地球の影に入る「皆既食」が始まるものと思われます。皆既食は1時間くらい続いて、その間は赤みを帯びた丸い月になると予想されます。「皆既食」の中でも、月が地球の影の中心にもっとも近づく「食の最大」と言われるクライマックスは午後755分くらいになるでしょう。

 

今回の月食では、部分食が始まると月の姿は左下から欠けて行きます。最初、暗い影の部分は真っ暗に見えますが、少しずつ茶色っぽく見えるようになってくるそうです。そして、ついに皆既食になっている間は、月全体が赤銅色に見えるのだそうです。

 

Eclipse

さて、皆既月食の間、月はナゼ赤く見えるのでしょうか。

 

普通に考えると皆既月食の間は、月に太陽の光は届かないはずなのですが、実は地球の大気の中を通り過ぎた太陽からの光は、大気の中で屈折して光が届かないはずの月面にまでほんのりと届くのです。その時、光の成分のうち、波長が短い青い光は大気に散乱されてしまうので月の表面まで届きませんが、逆に波長の長い赤い光は、散乱されにくいので、大気中を通過して、月面まで到達するのです。

 

この赤色を強く受けている月面の光を地球上から我々が目にすることになるのですが、地球の大気中にある水蒸気の量や粉じんなどの成分によって、異なった色に見えるのだそうです。赤銅色と呼ばれるように濃い茶色や赤色のように見えることもありますし、明るく燃えるオレンジ色のように見えることもあるようです。

 

さてさて、今宵の月は何色に欠けるのでしょうか。楽しみですね。