東京都大田区にあるグリーンブルーの東京本社から歩いて5分ほどのところに、東京都の下水処理施設「森ケ崎水再生センター」があります。その処理棟の建物の屋上に、カモメ科の渡り鳥「コアジサシ」がやってきて子育てをしていることは、何年か前から報道されていました。今年も今月に入ってから、ポワポワの綿毛に包まれた可愛らしい雛鳥たちが次々に孵化しています。親鳥たちは、近くの東京湾や多摩川でエビや小魚を捕っては、雛たちに運んでいるようです。


koajisashi


コアジサシは、環境省がレッドリストで絶滅危惧の2類に指定している野鳥で、オーストラリア付近の沿岸地方で越冬し、温かくなったこの時期に日本まで帰ってきて繁殖します。しかし昨今は、玉砂利の河原や砂浜などの繁殖に適した場所が減少しているのと同時に、カラスや野良猫に襲われた影響で個体数はどんどん減少しているそうです。荒天が続いた年には、強風や大雨に巣がやられてしまい、雛鳥が数羽しか巣立たなかった年もありました。

そこで東京都では、このカラスを撃退するために効果があるというミツバチの巣箱を設置することを決めたというニュースも伝わっています。地元市民らも立ち上がり、NPO法人「リトルターン・プロジェクト」も組織され、大田区と協力して保護活動を進めています。これまでその面積がどんどん減っていた干潟や湿原をコアジサシなどの野鳥の営巣のために再現するようにしたのです。玉砂利河原や干潟、砂浜などを森ケ崎水再生センターの屋根の上に再生してあげることで、ノギク(植物)の仲間が茂るようになり、河原に生きるバッタ(昆虫)などが住み着くようになったのだそうです。

その結果、2002年には森ケ崎水再生センターで足環を付けた幼鳥が、ニュージーランドで見つかったそうです。さらに2003年には、巣立った幼鳥同士のカップル・コアジサシが千葉で営巣しているのが見つかったそうです。そして森ヶ崎生まれどうしのつがいが、再び森ケ崎水再生センターに戻って来た例もあるようです。

この森ケ崎水再生センターの屋上は、羽田空港から都心に向かう東京モノレールの車窓からも見ることができます。今度東京へお越しの際は、進行方向左手を気にしてみて下さい。逆に東京にお住まいの方は、羽田空港からお出かけになる際に右手ですね。



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