アメリカの航空宇宙局(NASA)と国立雪氷データセンターが今年の3月に発表した内容によると、北極域の海氷面積が2年連続で過去最小記録を更新しています。NASAのウォルト・マイヤー研究員によると1979年の観測開始以来、北極域の海氷は年々減少を続けていて、この間に失われた氷の面積は、テキサス州の面積の倍(160km2)に相当する大きさに至っているそうです。これを1年あたりに失われた面積に換算すると、1年間でほぼ北海道1個分に匹敵する面積が消失している計算になります。

 

北極海を中心にして、周辺のオホーツク海やベーリング海などに分布する海氷の面積は、例年2月末頃に最大になった後、春にむけて減少していきます。だいたい9月中旬に最小になると、再び秋から冬にかけて成長を始めます。しかし、今年の3月の時点で、衛星により観測された海氷の面積は1452km2でした。これは1979年に観測が開始されて以来、最も小さく、前年(2015年)のピークに比べても約2km2も減少しています。
 

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研究チームによると、この現象は2015年の12月から2月にかけて、エルニーニョ現象が発生したことによって地球規模で気温が上昇し、北極域の海氷の形成を妨げたことによるそうです。実は海氷は、海水面と比較して太陽から放射される熱の反射率が高いので、海氷の面積が縮小してしまうと地球全体が太陽から受ける放射熱の吸収率自体が上昇してしまい、温暖化は更に加速されるのだそうです。ウォルト・マイヤー研究員は、近年、春から夏にかけて海氷が急激に減少する傾向が強いので、北極域の海氷が全般に薄くなって、以前よりも溶けやすくなっているとも指摘しています。

 

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例年より多くの台風が列島を襲っている2016年。私たちは地球温暖化によって身の回りに生じる「極端な気象現象」(Extreme Weather)に気付くことができているでしょうか。この発表で明確な地球温暖化の現象を報告した科学者たちも、事態は加速度的に進んでいるとしています。「Point of No Return」(後戻りのできない地点)を過ぎてしまえば、もう、取り返しのつかない状態になるとされる地球温暖化の問題をいつまで他人事にしていくか、一人一人が考えなければならない時期は既に到来していると考えられます。
 


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