セイタカアワダチソウ」をご存知ですか。名前はわからなくても、近所の空き地などで目にされたことはあるのではないかと思います。秋になると一斉に黄色い花を咲かせる背の高い雑草です。実は、このセイタカアワダチソウは、北アメリカからやってきた外来種なのです。日本で急激にその勢力を広めたのは、昭和40年代以降と言われますが、特にこの花にアレルギー反応を持つ方には、花粉症の原因になることが多いので、憎き雑草の代表として知られているかも知れませんね。(ちなみにブタクサとは異なる種類になります)
 

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一方、これまで日本で、秋に勢力を広げる雑草といえば芒(ススキ)でした。先日は65年に一度のスーパームーンがめぐってきましたが、秋の夜長といえば、仲秋の名月を眺めながら、月見団子にススキというのが日本の典型的なスタイルであったと思います。このススキが
セイタカアワダチソウに一気にやられてしまったのは、セイタカアワダチソウの逞しい生態にその原因があったようです。

 

セイタカアワダチソウは、1平方メートルあたり、100本もの高い密度で繁茂することができます。1本のセイタカアワダチソウには、5万個もの種ができ、秋の風に乗せて周辺へ大量にばら撒かれるのです。さらに、セイタカアワダチソウは、根から他の植物の発芽・成長を阻害する物質を分泌します。

 

このようにある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出して攻撃することを「アレロパシー」と呼びます。他の植物の成長を助ける動物を防いだり、あるいは成長を阻害する微生物引き寄せたりする場合も同様です。セイタカアワダチソウの根からは酸が分泌されているそうで、空き地に咲いていた秋の風物詩の萩(はぎ)、桔梗(ききょう)、なでしこ、コスモス(秋桜)などは、みんなこれのせいでなくなってしまいました。

 

ちょうどセイダカアワダチソウと同じ環境に生えていたススキも、めっきりその姿を減らしていましたが、やられっぱなしでなかったようです。最近になって、セイタカアワダチソウの毒に対する耐性を持つススキの品種が出てきたのです。さらに以前よりも成長速度が速くなり、背丈も大きくなりました。そのため、セイタカアワダチソウの毒にやられるよりも前に、早く、大きく成長したススキがセイタカアワダチソウへ当たる日光を遮ることで空き地の勢力を挽回してきているのです。


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同様に日本在来の植物である葛(クズ)も復活してきています。クズは根を
セイタカアワダチソウの毒が届かない深いところまで伸ばします。すると、つる性のクズは、どんどんセイタカアワダチソウを覆っていき、クズ自身の葉の重さで成長を妨げて枯らしていきます。ススキは、クズのつるが伸びてきても隙間から背の高い葉を伸ばすことができるので、セイタカアワダチソウほど影響を受けないで共生できるようです。

 

このように私たちが何気なく眺めている空き地や河原に生えている雑草たちの間でも、激しい生存競争が繰り広げられているようです。散歩をするときも、そのような視点で周りを見てみると楽しいですよ。
 


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