先日、関東地方には春一番が吹きましたが、まだまだ寒い日が続きますね。グリーンブルーのスタッフも冬のコンディションのデータを取るために全国を飛び回っています。例えば、日本の東北以北の地方では環境モニタリングでは、氷点下の気温のなかで作業することになります。測定器の流路などを洗う純水が(本来凍るはずはないのに)凍り付いてしまったり、ウレタン製の配管が凍って固くなってしまい、割れてしまったりする事もあります。正に過酷な自然と闘いながらの観測作業になります。
しかし、我々の暮らす環境を確かに把握するには、真冬の観測はとても重要です。極端な例として、皆さんは北極圏の大気などは、人間の文明から遠く離れた清浄な状態にあるとお思いになりますか。実は近年、アメリカのフェアバンクスやモンゴルのウランバートルなど、北極圏に近い気温の低いエリアにある都市の大気環境は、冬の間、非常に汚染された状態になることが分かってきました。極寒の地の人々の暮らしにおいて、火力発電所の排ガス、薪ストーブの排気、車などの交通排ガスなどが、非常に安定した真冬の気象条件のために、縦方向の大気の混合が起きなくなってしまい、地表付近で局所的に閉じ込められてしまうのです。そうすると人が暮らす大気の層の空気中のガスや粒子の汚染物質の濃度が非常に高くなってしまいます。
こういったエリアでは、まずは汚染物質や大気の状態を観測することで定量化し、汚染の源となっている施設のインベントリ(台帳)と関連付けられて、設備の改良などから改善のための取り組みが進められます。大気・気象の観測などは費用が掛かるので国際的な枠組みの取り組みの中で進められることも多く、経験豊かなグリーンブルーの技術スタッフも空気の測定業務などでは大いに貢献します。