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大気質改善に向けた新たな政策パッケージで経済力もアップ

新年、第一弾のニュースは欧州からです。欧州委員会(European Commission)が、大気質の改善に向けた新しい政策パッケージを採択したとホームページでプレスリリースしました。

この政策パッケージは、いくつかの政策から構成されていて、大気質の改善目標を確実に達成するための対策を明確化しています。

そのうち「国別排出上限指令の改正」は、6つの重要な有害物質として挙げられている「浮遊粒子状物質」「硫黄酸化物」「鉛」「窒素酸化物」「一酸化炭素」「ベンゼン」の国別の排出上限値を厳格化しています。

また、「ヨーロッパ大気清浄プログラム」は、都市部の大気質の改善、研究開発と国際協力の促進を重要なポイントとしています。

EU圏の地域では、大気質の悪化は、市民の寿命を縮める主な要因とされており、喘息などの呼吸障害を引き起こして「生活の質」に悪い影響を与えるとされています。

また、今回の政策パッケージ公表に当たって、ヤネス•ポトチュニック・コミッショナーがコメントした内容によれば、この政策パッケージを実行することで社会が得る利益は年間約400億ユーロと見積られるとのことです。大気汚染対策自体に必要になる費用は年間34億ユーロと見られているため、概ね12倍の経済効果が得られるとしています。さらに5万8千人の早死が回避でき、400億~1400億ユーロの医療・保健費用流出の削減が可能となる上に、約10万人分の追加雇用が生まれるとしています。

このような戦略的な連携政策を目の当たりにしてしまうと、中国からの越境汚染の影響に韓国や日本が苦しむといった今の東アジア地域の状態は、まだまだ何歩も劣っているなと痛感してしまいますね。各国の政治家の皆さんにも、同じ視線で環境戦略を策定して頂きたいものですね。

http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-1274_en.htm